内発的動機づけ(その2 3つの内発的動機づけ)

 

内省能力の発達とそこから生まれる感情的な動機づけは、マインドサイト・マトリックス上にあるほかのすべての動機づけを満たすための前提条件になる。自己認識を十分に発達させることではじめて、外の世界に向けたほかの動機づけ、周囲の物資世界とどう関わるか、また、対人関係にどう影響を与え、どう楽しむかについての動機づけ、どう進みたいかという願望が生まれる。

 マトリックスのすべての列に共通することだが、内発的動機づけは3つの形をとる。そして、この3種類の動機づけはいつ生じてもおかしくはないが、子供から大人になるまでに経験する発達段階としてみることもできる。また、3つの内発的動機づけを、新しい自己アイデンティティ(初めて親になるなど)を手に入れるたびに経験する、小さな発達段階の積み重ねとして見ることもできる。

 この一連の発達は、何らかの不安を感じたときに、身体的にも感情的にも自分自身と身近にいる大切な人たちを守りたいという思う段階から始まる。そして、いったん安全を確保すると、次には自分を他者と区別したいという考えが生まれ、独自の好み、スタイル、優先順位、価値観を持とうとする。これらはすべて、自分がなろうとしている人物像に反映したものである。

 そして、その個人としてのアイデンティティの枠内で生活や仕事を続けるときに、経験や努力の積み重ねによっていくつかのことが得意になり、そのときに、自分は優れているという感情、人生やライフスタイルの中の自己実現、すなわち「マスタリー(熟達)の感情を経験できる。つまり、内発的動機づけは、経験の連鎖によって生じていくものである。

 言うまでもなく、私たちは消費者として、その時々の動機づけの力によって興味の対象を変えていく(たとえば、安心・安全を得るための育児用品から、自分の特別な好みを反映するもの、何かの課題を達成したことを証明するものへと変化する)。その時々の内発的動機づけがどこに向いているかは、しばしば物質世界や社会との関わり方に反映される。

 例えば、安心を得ようと必死な時には、新しい仕事や新しい友人づくりなど、未知の領域に足を踏み入れようという気持ちにはなれない。アイデンティティの確立に集中している時には何をするにも自分の好きなやり方を貫き、自己認識を反映するような社会的結びつきを求めようとするかもしれない。そして、それが達成できてくると、新しいことを柔軟に試すようになる。