(1) 売却先候補への打診
事前準備が整ったら、売却先候補との交渉に移ることになる。まず、売却先候補に対してM&Aについて打診する。売却先候補が関心を示した場合には、秘密保持契約を締結して、売手側が財務諸表・事業計画書・税務申告書等の詳細な資料(すでに準備しておいた8つ資料のうち必要不可欠なもの)を提示する。
(2) 売却条件の交渉
M&Aを行うことについて、初期の合意がなされた場合には、具体的な条件の交渉を開始することになる。交渉する項目は、主として取引価額やその他の条件(M&Aの形態、役員の処遇、従業員の雇用等)である。
(3) 基本合意書の締結
売却条件について基本的な合意がなされた時点で、売手企業・買手企業両者で基本合意書を締結する。ただし、基本合意書は、法的拘束力を持たないことが多く、取引価格やその他の条件について基本合意した事項を記載することが通常である。
1) 基本合意書に記載すべき主な事項
ァ) 取引価額
M&Aの当事者にとって最も需要な事項である取引価額については、概算で記載する。通常、基本合意書作成時点においては、デューディリジェンスが済んでいない段階であるため、この後行われるデューディリジェンスの結果いかんにより、当該金額が変更される旨の但し書がつくのが一般的である。
ィ) デューディリジェンスの実施
被買収計画ビジネス、財務、法務等の観点から企業調査(デューディリジェンス)を実施することについて、承諾する旨の記載をする。なお、その時点でデューディリジェンスの実行日程、調査担当の公認会計士等の名前、調査内容の詳細などが決まっていれば、それも併せて記載する。
ゥ) その他
上記以外の条件等について合意した内容を記載する。
(4) デューディリジェンスの実施
売手企業・買手企業の両者の間で、基本合意をした後、買手企業によるデューディリジェンスが開始される。デューディリジェンスは、弁護士・公認会計士等の専門家も入り、法務・財務・事業等多様な面から精査が行われることになる。そのデューディリジェンスのポイントは
a) 適切な会計処理が行われているか。
b) 回収不能債権はあるか。
c) 重要な簿外債務及び偶発債務はないか。
d) 業績などに悪影響を及ぼす事実が発生していないか。
e) 資金ショートや倒産状態などの状態になく、その予定もない。