事業計画の骨子

 事業計画とは、自分のビジネスについて描いた理想をベースにした意思決定である。したがって、「経営理念」「企業ミッション(使命)」「ビジョン(目標)」「戦略」「戦略計画」が整合性のある形で記述されるべきものである。つまり、絵に描いた餅のように、単なる理想であっては意味がなく、第三者にもアピールするに足るものであることが要件である。

 1)経営理念とは、「なぜこの会社が存在するのか?」「なぜこの仕事をするのか?」といった根源的な価値観のことである。例えば、「ガンの撲滅を目指す」「快適な住環境の提案」といったものがそれである。すなわち、このビジネスを通じて、世の中に役立ちたいのかをベーシックな言葉で表現し、これから行おうとしている経営の拠り所を示すものである。

 2)企業ミッション(使命)は、経営理念をかみ砕いて具体的に説明したものである。すなわち、経営理念は、起業家の経営哲学でもあるから、やや抽象的で第三者にはストレートに伝わりにくい場合もある。そこで中長期的に達成できる可能性も念頭におきながら、ビジネスを展開する地理的範囲、業種、主力製品やターゲットとする顧客像などを盛り込む。

 3)ビジョン(目標)は、このミッションが成功したときとは、どのような業績が達成されたことを意味するのか示すものである。それは何パーセントの増加目標達成など、具体的に測定可能であることが必要である。つまり、ここでは事業に投下した資本や資源の効果を評価する売上高や利益、事業規模などを掲げることで、ビジネスの事前評価指標を示す。

 4)戦略は、ミッションを実行し、ビジョンを達成するためのロードマップである。具体的には、どのような手順でビジョンの達成を目指すのかを明示するもので、その基本的な道筋を明確にするとともに、調達した経営資源を最も効率的に活用する企てである。さらに、この戦略を現実の状況に応じて、より具体的な対応策に落とし込んだものが戦術である。

 5)戦略計画(行動計画)は、戦略を展開する場合に、「どんな取り組みや仕事をしなければならないのか?」という観点から分解し、ビジネスを構築するにあたっての重大なステップやプロジェクトなどが中核となる。つまり、目標に到達する手段を調達できる経営資源と結びつけて、最も効果的かつ効率的な手順に落とし込んだ行動計画が戦略計画である。

(計画の詳細については、『事業計画』を参照)