相談相手を見つける

 資金調達が難しい場合は、開発して製品を既に取り扱っている企業などと提携し、製品やサービスの代金を前払いしてもらうという方法が考えられる。この場合は、購入時の割引や次回以降の購入時に割引が受けられるといった特典をつけ、会員を募るといった方策が必要となる。しかし、利益については提携企業との間で配分方法を協議することになる。

 いずれにしても、有利な資金調達方法が選択できるかどうかは事業計画の内容に左右されることになるので、製品やサービスのアイディアだけではなく、儲かる仕組みも同時に考える必要がある。それはマーケティングの問題ということであるが、起業時点においては、個人で学んだり経験するには限界があるので、良き相談者を見つけなければならない。

 問題は、必要とする知識をもち、意欲的に取り組んでくれる相談者をどのようにして見つけるかであるが、日本の場合は終身雇用制度が定着しているので、なかなか必要な人材を広く求めることは難しい。それでも現在は、インターネットで検索することもできる環境が整っているので、粘り強くメッセージを発信すれば、相談者が見つかる可能性はある。

 従来の日本の起業家は、ビジネスのアイディアが他人に流用されることを極端に嫌ってきた。かつて、異業種交流などという制度があったが、交流はするものの、自分の手の内は明かさず、他のメンバーから情報を得ようとする空気があり、結局大きな成果には繋がらなかったようだ。こうした気質は以前ほどではないものの、今もなお色濃く残っている。

 しかし、インターネットの普及により、各種のプラットホームが提供されており、ある程度の危険は伴うかもしれないが、より優れたアイディアが生まれることもある。人材(相談者)を探す場合にも、すべてを秘密にしたままではミスマッチが生じてしまい、求める人材にめぐり合えるチャンスが掴めない虞もあり、発想の転換が望まれるところである。

 臆病で慎重な姿勢は、相談相手を探すというひと手間をかけることで、起業家に向いていると自負している人よりも安全策を取ることができる。しかし、あまりに慎重すぎて一歩を踏み出さなければ何も始まらない。ここまでの段取りが整えば、後はマーケティングを実践するだけである。といっても消費者の支持を獲得するのはそう簡単なことではない。