人材紹介サイト「リブセンス」の戦略

 

 人材紹介などの情報仲介サービス業は、比較的小資本で開業できることが大きな魅力だが、サービス商品の差別化が難しく、あっという間にコモディティ化してしまい、業績の伸びが頭打ちになり、結局は低価格競争に巻き込まれてしまう。こうしたコモディティ化の罠から脱出し、新しいビジネスモデルを開発したのが、人材紹介業のリブセンスである。

 同社は、2006年に当時大学生であった村上太一社長が設立したベンチャー企業である。その後、2011年に東証マザーズに上場、続いて2012年に史上最年少で東証1部へ上場を果たしている。当初は、アルバイト求人専用であったが、課金形態に工夫を凝らしたところが、斬新であった。その内容は一口でいうと、固定型から成果報酬型への転換である。

 従来のアルバイト求人サイトは、広告掲載料を求人企業側から広告掲載時に掲載手数料を受け取るという仕組みが定番であった。したがって、広告掲載料は、応募や採用の有無にかかわりなく定額であったため、中小零細企業にとっては使い勝手が悪く敷居がたかかったが、リブセンスでは、これを成果報酬型のアルバイト求人サイトの運営に転換した。

 しかし当初は、「広告に対して応募があった段階で課金する」という形態であったため、やはり求人企業側にとってはあまりメリットがあるものではなかった。つまり、応募があったというだけで課金されるのでは、採用に結びつかなくても掲載料を支払わなければならないから、採用が実現した時に課金されるという方式が望ましいと思っていたのである。

 しかし、仮にそのように課金方法を変更した場合、実際に採用されたかどうかは、求人企業側が自主的に申告しなければ、リブセンスでは把握できないから、場合によってはただ乗りされる危険性もあり、にわかには踏み切れなかった。そこで考えついたのが、「祝い金の支給」という画期的な方法であった。それは企業が採用報告を怠れない仕組みである。

 すなわち、採用されたアルバイトが祝い金を貰うためには、採用された事実をリブセンスに報告しなければならないが、その祝い金の原資は、企業側が支払う成果報酬の一部であるから、企業がこれを支払うことではじめて祝い金が採用されたアルバイトの手に入るわけであるから、企業は採用の事実をリブセンスに報告せざるを得ないということになる。