フォロワー型の企業が現に存在し続けている以上、それなりの役割を果たしていることは間違いないわけであるから、経営革新に対して過剰に反応する必要はないかも知れないが、消費者の要求とこれに応えようとする供給側のシーソゲームによって、否が応でも何らかの変革を迫られる時代になったことは、どんな企業でも認めざるを得ないであろう。
そうした時の変革を経営革新と呼ぶか、あるいはビジネスモデルの開発と呼ぶかは別として、消費者のニーズ(潜在的ニーズも含めて)や優先順位の変化に対応しなければならないと感じた場合、まず、顧客の要求水準の変化と自社の経営資源をにらみながら変革の方向をデザインすることになるわけであるから、単にアイディアの探索ありきではない。
ビジネスモデルの開発に本格的に取り組む場合は、かなり大がかりな仕組みとこれを動かす人材が必要となるであろうが、少なくとも、フォロワー型の企業が取りえる戦略の場合は、リーダー型やチャレンジャー型企業に勝負を挑むというより、自社の身の丈に合った生存領域を前提とした戦略を開発することを第一のステップと考える方が無難である。
無難であるといったのは、何も消極的であれという意味ではなく、着実に勝てる領域において収益力を高め、かつ、中長期的にコントロールが可能な戦略を開発することが肝要だということである。その上で、リーダー型やチャレンジャー型が採っている既存の戦略を陳腐化させるチャンスをうかがうのが、結果として好業績に繋がることになる筈である。
このシリーズで取り上げた、スーパーホテルや理髪店チェーン、あるいは保険会社、証券会社にしても、技術革新を取り入れると同時に顧客の視点を重視し、コスト削減とサービスの向上を同時に実現し、新たな付加価値を創出している。手法の開発が先か顧客の問題解決が先かは一概には言えないけれど、発想の原点はいずれもシンプルそのものである。
その発想を構想に具体化していく過程では、必ずと言っていいくらい心の葛藤が生じるものであり、敢えて、これに挑む場合には、ブルーオーシャン戦略の戦略キャンパスの「取り除く」「減らす」「「増やす」「付け加える」といったERRCを活用するのがとりつき易い。この考え方も実は新しいものではなく、昔からあったアイディア発想法の一つである。