自社のポジションを把握

 

 市場を基準に供給企業の分布をみると、必ずと言っていいくらい大企業が存在する。しかし、その市場には大なり小なり中小企業が数多く存在していることも事実である。こうした多くの中小企業は、通常リーダー型やチャレンジャー型の企業ではなく、わずかに存在する一部のニッチャー型を除いては、いわゆるフォロワー型企業が多くを占めている。

しかも、市場の急激な変化によって、かなりの入れ替えはあるとはいうものの、中小企業は消滅することはない。ということは、フォロワー型の中小企業といえども、市場において何らかの役割を果たしているということであり、そのことを誰もが認めているからこそ、中小企業が存在し続けているわけであり、ここにはある種の成長要因も隠されている。

それを見つけるのが経営者の役割であり、これをサポートすることを生業としているのがコンサルタントである。現状を起点としてみれば、確かに稼働率の低い設備を抱え、資金繰りにあえいでいる企業の場合などは、少なくとも、緊急に運転資金が供給されなければ、どんなに優れたビジネスモデルを提案したとしても、取り組むことができないだろう。

ただ、厳しい言い方かもしれないが、こうした経営状態に立ち至った責任は経営者にあるわけであるから、その原因を突き止めて是正するという姿勢は持続しなければならない。一見無意味に思える行動かもしれないが、金融機関や株主から支援を受けるためには、避けて通れないはずなのに、「お金がなければ始まらない」という「言い訳」に終始している。

企業経営にとって資金不足は重大な問題である。資金繰りがタイトになったそもそもの原因は、「販売不振」→「限界利益の不足」→「販売管理費の圧縮」→「従業員のやる気低下」→「顧客離れ」というプロセスを辿り、さらなる販売不振につながっていくものであり、唐突に販売不振が発生するわけではないが、経営者の意識はその逆であることが多い。

すなわち、経営者の考えは、資金繰りが悪化したとこが原因で、売り上げ不振になったため、やむを得ず販売管理費を圧縮せざるを得なくなり、従業員のモラールが低下し、顧客離れにつながったというストーリーである。これは明らかに、市場における自社のポジションを見失っていることを起因するものであり、資金繰りの悪化はその結果なのである。