理解するための調査・分析(その2)

 

 この理解のフェーズでは、顧客も含めた様々なソースからの積極的な情報インプットが必要となる。ビジネスモデルキャンバスのスケッチに関するフィードバックを募集して、ビジネスモデルの方向性を早期にテストしてみることである。ただし、画期的なアイディアというものは、強い抵抗を引き起こす可能性もあることにも留意しなければならない。

 既存企業の視点から取り組む場合、既存のビジネスモデルをマッピングして評価することである。既存の組織であれば、既存のビジネスモデルへの取り組みから始めるが、理想は、現在のビジネスモデルのマッピングと評価を組織全体から集められたメンバーによるワークショップで行い、同時に新たなビジネスモデルのためのアイディアや意見を集める。

 このようにすることで、ビジネスモデルの強みと弱みについて複数の視点からの意見がもたらされ、新しいモデルの最初のアイディアが生まれる。つまり、既存の企業の視点を起点として取り組むことで、既存のビジネスモデルの強みと弱みについて、メンバーが共通の理解もつことで、ビジネスモデルのイノベーションに対するコミットメントが高まる。

 こうしたプロセスを踏むことで、現状の枠組みを超えて観察する準備が整うことになるわけであるが、現在のビジネスモデルとそのパターンにとらわれずに見ていくことは、特に困難なことである。何故ならば、現状というのは通常、過去の成功の結果であり、組織風土に深く組み込まれているからである。理解するとはここを乗り越えることでもある。

 また、既存の顧客ベースを超えて探索することも求められる。すなわち、収益を生み出す新しいビジネスモデルを探索するとき、既存の顧客ベースにこだわらずに、収益機会を探し求めることが重要である。明日の潜在的な収益は、他の場所(新しい市場)であるかもしれないからである。潜在的ターゲット市場への深い理解が重要だということである。

 いずれにしても、分析をやりすぎると、生産性が低いと認識されてしまい、上級マネジメントからのサポートが受けられなくなる危険性もあるので注意しなければならない。顧客のインサイトについて記述したり、調査に基づくビジネスモデルスケッチを見せるなどして、プロジョクトの進捗状況を逐次報告するよう努めることが肝要であると思われる。