ビジネスモデルデザインのプロセス

 

この本は、5つの章立てで構成されている。その内容は、1)ビジネスモデルを記述、分析、デザインするツールであるビジネスモデルキャンパス。2)主要なビジネス思想家のコンセプトに基づいたビジネスパターン。3)ビジネスモデルをデザインするのに役立つテクニック。4)ビジネスモデルを通じた戦略の解釈。5)これらを統合する包括的なプロセスの提案である。

 すなわち、本書で紹介されているコンセプトとツールを統合することで、その組織が持っている特有のニーズに適応できる汎用的なビジネスモデルデザインのプロセスを提案している。あらゆるビジネスモデルデザインのプロジェクトは、それぞれ独特のものであり、独自の問題、障害、成功要因があれ、組織はそれぞれ異なる場所からスタートし取り組む。

 最初は基本的な問題やビジネスモデルに取り組み始めるが、やがて、独自のコンテキストや目的もみえてくる。危機的状況への対応を迫られるケースもあれば、新たな成長の可能性を模索するようなケースもあるだろう。また、スタートアップ段階の場合であれば、新製品や技術を市場へ導入しようとしている場合もあるなど、様々なケースが考えられる。

 ここで取り上げているプロセスは、こうした独自のアプローチへとカスタマイズする出発点となるものである。このプロセスには5つのフェーズがある。それは、リソースの結集、理解、デザイン、実行、管理である。各フェーズを一般論として説明したうえで、既存の組織の視点から再検討する。すでにビジネスモデルを実行している組織において、ビジネスモデルイノベーションを進めるには、いくつかの要素を考慮する必要がある。

 ビジネスモデルイノベーションは、以下のような4つの目的がある。1)すでに市場に存在する未解決のニーズを満たすため、2)市場に技術、製品、サービスを導入するため、3)既存市場を、より良いビジネスモデルによって改善、変革するため、4)まったく新しい市場を作り出すため、である。長い歴史を持つ組織においては、既存のモデルと組織構造について考えなければならない。

 さらに、このイノベーションには通常、以下の4つの動機が考えられるとしている。1)既存のビジネスモデルの危機に瀕したため、2)環境の変化へ対応するため、3)市場に新技術、製品、サービスを導入するため、4)最終的には既存のものを置きかえる可能性もある、完全に新しいビジネスモデルを模索、テストすることによって、未来に備えるため、である。