脅威の評価

 SWOT分析において脅威といえば、競合他社の動向、法的規制、技術革新などの外部からの圧力によって、自社がどのような影響を受けるかという視点で捉えるという手法が定番であった。しかし、ここでは、9つのブロックそれぞれに対応させることで、ビジネスモデルを構成する各要素に影響を与えるであろうと思われる脅威を特定して分析している。
 このように限定すると、価値提案に関する脅威は、1)代替品やサービスが入手可能かどうか。2)競合はよりよい価格や価値を提供するだろうかが大きな関心事となるはずだ。つまり、競合他社や新規参入者が提供する価値が、どの程度ビジネスモデルに影響を及ぼすかという戦略コントロールの持続性にフォーカスして分析をする必要性がより明確になってくる。
 コスト・収益に関する脅威についても、1)競合や技術によって利益が脅かされるだろうか。2)少数の収益の流れだけに依存していないだろうか。3)将来失われるかもしれない収益の流れはどれだろうか。4)どのコストが予測不可能になるだろうか。5)収益が増えるよりも早く、どのコスト負担が増えていくだろうか。脅威を取除くためには欠かせない踏み込みである。
 インフラに関する脅威は、1)あるソースの供給が途切れることがあるだろうか。2)何らかの理由でリソースの質が低下しないだろうか。3)主要活動が中断しないだろうか。4)何らか理由で使用活動の質が低下しないだろう。5)パートナーを失う危険性はないだろうか。6)パートナーが競合他社と協業することはないだろうか。7)特定のパートナーに依存しすぎないだろうか。
 顧客インターフェイスに関する脅威では、1)市場はすぐに飽和してしまわないだろうか。2)競合他社が市場シェアを脅かさないだろうか。3)顧客はどのくらい離れて行ってしまうだろうか。4)どのくらいすぐに競争が激しくなるだろうか。5)チャネルが顧客にとって不適切なものになってしまう危険性はないだろうか。6)顧客との関係が悪化する危険性はないだろうか。
 脅威と機会は、相対的な概念であり、自社の立ち位置により両者が入れ替わることがしばしばある。例えば、多店舗展開をしていることが最大の強みである小売業にとっては、ネット販売業者の出現は脅威である。要は、どんなビジネスモデルを構築しようとしているかによって、機会にも脅威にもなり得ると考えれば、脅威への対処の仕方にも役立つ。