メンバーの意見をひとまとまりにして、そのまとまり同士を分けることにより、議論の輪郭が見えてくる。すなわち、意見を「組織化」することと「分類化」することで、意見の対立軸を見つけ出せば、議論が噛みあうことになるため、枝葉末節的な議論を抑えて、望ましい結論を導きだすために有用な意見を積み重ねていくことができる。
しかし、会議はこれだけで円滑に進行するわけではない。話のレベルがずれているため、一向に話がかみ合わないという現象がおこり得るからである。例えば、全体の経営戦略の検証あるいは、新市場戦略を議題にしているのに、一方では、業務オペレーションや社員のモラール低下について議論しているといった構図が考えられる。
もちろん、ミクロの議論になれば、全く関係のない問題ではないが、自社の経営資源と市場との相性の話をしているのに、業務の効率化の話はあまりにもかけ離れている。こうしたずれを明らかにして、問題をMECEに議論していきたい時に威力を発揮するのが、ロジック・ツリー型のチャートとマトリクス型のチャートである。
市場戦略でいえば、アンゾフの成長ベクトルのように、既存市場と新市場、既存製品と新製品の組みあわせによって、戦略の方向を探るといった場合は、マトリクス型のチャートによるのが望ましいだろうし、目標利益を獲得するための戦略を検討するという場合は、「売り上げを増やす」「原価を下げる」「経費の削減」をツリー型のチャートで表現する。
MECEに論点を見つけ出すには、どの手法を使うべきかを素早く判断する必要がある。ファシリテーターは、日頃からイメージトレーニングにより、典型的なパターンを頭の中に描いておく必要がある。アンゾフの成長ベクトルのように、対立軸がはっきりしている場合は、マトリクス型のチャートで整理するとスッキリする。
しかし、対立軸で切り分けるのが困難な場合も結構ある。あまり複雑な場合は多変量解析の主成分分析やクラスター分析の力を借りることになるが、会議の場ではファシリテーターの見識の高さがものを言う。発言の趣旨を寸時に掴み、マトリクス型をアレンジして対立軸との位置関係をマップにプロットし、意見の類似(相違)性を明らかにする。
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