製造業の場合は生産力の分析を行わなければならないが、ここでのチェックポイントは、生産技術のレベル、生産能力、製品開発力などである。生産技術では特許の取得率あるいは特殊技術をもった技術者の存在など、同業他社との差別的優位性について分析する。次に生産能力については、設備の現況と製品の成長性という観点からキャパシティを見る。
製品開発体制の分析では、研究員の数および質、設備の充実度、研究費予算の適正度などから、新製品の開発可能性を検討し、新製品開発計画に反映させていくが、市場ニーズの変化との関連性を無視するわけにはいかないので、市場分析や顧客分析、競合分析、技術革新などを勘案して決定することになるものと思われる。
また、自社の生産設備という視点からだけではなく、生産システムという経営戦略上の角度からの検討も生産力の分析に含まれる。すなわち、ここでいう生産体制とは、市場動向の変化に迅速に対応するためには、自社生産に必ずしもこだわる必要がない場合も考えられる。つまり、アウトソーシングなども視野に入れて考えなければならない。
そうした視点から生産力を分析することで、既存の設備を前提とした製造原価も根本的に見直さなければならないかもしれない。特に製品のライフサイクルが短縮化している現況においては、設備投資の償却を長期に設定するのは問題が残る。ただし、アウトソーシングでも、従来型の下請けという観念から脱して適材適所で考えることが肝要である。
いずれにしても、設備投資は自社の経営基盤を決定するものとなるから、投資額が多額になる場合はもちろんのこと、設備の更新にあたっても回収期間の見通しを十分に検討することが望まれる。回収期間のシミュレーションにあたっては、会計的回収期間だけではなく、現在価値法や内部利益率法なども用いて判断すべきである。
また、既存設備についても、自社の販売計画、競合他社の設備水準、技術革新の状況などを勘案して、稼働率の妥当性や追加的省力化投資の検討をするなど、設備の廃棄も含めて多角的に検討する必要がある。既存設備の有効活用に拘り過ぎて、非効率な追加投資を決定してしまったことが経営を硬直化させてしまうことは避けたいものである。
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