4つのパターンの精査

 (1)営業利益(本業の利益)と本業のキャッシュフローが増加しているパターンは、本業で稼いだ利益が現金となって増えたことを意味している。(2) 営業損失(本業の損失)と本業のキャッシュフローも減少しているパターンは、損益計算書上の営業損失がでて、かつ本業のキャッシュフローもマイナスとなっている最悪の状態である。
(3)営業利益(本業の利益)と本業のキャッシュフローが減少しているパターンは、今年の本業の利益は来年に現金預金となるので、資金繰りは厳しくなり、借入に頼ることになる可能性が高くなる。(4) 営業損失(本業の損失)と本業のキャッシュフローが増加しているパターンは、営業損失はでているものの、前年の売上などが現金預金で増えている。
 上記の4つのパターンから、本当の経営力を読み込むためには、短期の収益力のキャッシュフローを見なければならない。短期の収益力というのは、会社の本業の利益である営業利益に本業に付随して生じる受取利息と受取配当金を加え、支払利息(社債利息などの利息を含む)を差し引いた利益額のことである。
 本業の利益である営業利益に対して、預金や社債、国債などからの受取利息、株式の保有から生じる受取配当金は、会社の本来の目的である本業ではないが、常に生じるものであり、借入金や社債などの利息の支払いも本業ではないが、これも恒常的な資金調達にかかわるものであるとして、経営上の収益及び費用としている。
 つまり、営業利益が出ていても支払利息が大きいため、支払利息を差し引くと損失になる場合は、経営成績は良いとは判断できない。中小企業の場合は7割ないし8割が借入金に依存しているので、本業の経営成績を判断する場合に、この短期収益力を用いることにしている。これに当たるキャッシュフローを短期収益力のキャッシュフローとしている。
 すなわち、短期収益力のキャッシュフロー=営業活動によるキャッシュフローの小計+受取利息及び配当金額?支払利息額で表される。実際に経営活動の成績を見る場合、営業利益の増減(本業の利益の増減)と本業のキャッシュフローの増減で判断するのではなく、この短期収益力のキャッシュフローで見るのが通例である。