たいていの差異分析は、時系列で売上高や利益について計画と実績の差異を分析するが、切り口を2元に広げて分析する場合もある。例えば、市場規模とシェアのように分けて検討すると、一層その意味が明確に見えてくることが多い。これは次元を増やすことによって、より多くの情報を盛り込むことができるからである。
例えば、各支店の位置づけを見るために、横軸に市場規模、縦軸にシェアをとった2軸の平面にプロットしてみると、そこから何が見えてくるだろうか。もしも、市場規模が大きい支店エリア内でのシェアも小さい規模のエリアのシェアも同じであったら、この市場規模とシェアの交点は、各支店とも横軸である市場規模と等距離にあることになる。
しかし、市場規模が大きくなるにつれて、シェアが低下傾向にあるとすれば、これらの交点を結んだ線は、右下がりの直線(y=-ax)あるいは双曲線(xy=k)を描くはずである。直線であることはまれなので、双曲線の場合はどんなことが言えるだろうか。この場合、まず疑ってみるのは、大規模な市場に位置する支店の戦力の軟弱さである。
また、同じシェアを対前年比で比較してみた場合でも、かなりの情報を得ることができる。例えば、5年前のシェアを横軸にとり、現在のシェアを縦軸にして等シェア線(y=xの45度の線)を斜めに描き、この線の周りに各支店のシェアをプロットしてみる。この場合も、各支店とも5年前と全く同じであれば、この等シェア線の上に点が乗るはずである。
こうしたことは滅多にないので、各支店のシェアがこの等シェア線の上下に位置づけられるであろう。その形から何が言えるかを判断するのが戦略的意思決定である。もしも、各支店のシェアが等シェア線の下に来ているのであれば、明らかに同業他社との戦いに負けたということであり、まだらな場合は、極地戦の問題ということになる。
もちろん、このデータだけで全てを判断することはできないが、「あるべき姿」の修正を迫られているのか、課題解決のための戦略的意思決定あるいは、その推進の仕方に問題があったのかのヒントは十分に読み取れる筈である。いずれにしても、集中と分散という切り口からだけでも、かなり有用な情報を得ることが可能であることが解る。
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