民事再生手続きの特徴?その1

 民事再生法の最大の特徴は、柔軟で迅速な処理により企業再建を目指す場合の手続きであるということだ。したがって、中小企業向けということになっているが、実際には別除権により担保の制約などがあり、中小企業にとっては活用しにくい面もあるが、再生を前提にしている点ではそれなりの意義がある手続きである。
 裁判所によって若干の違いはあるものの、およそ5?6月で再生計画が認可されるので、これまでの和議とは比べものにならないくらい迅速に進められるため、倒産手続きが長期化すると信用の低下が著しい中小企業にとっては有利であることや法人の代表者(大抵の場合連帯保証人になっている)も一緒に民事再生の申し立ても行える。
 民事再生法ではDIP型(従前の経営者がそのまま経営権を維持したまま手続きを行う方式)を中心としているため、経営陣の交代による混乱を回避できるが、場合によっては管財人が経営を行うことが適切であると裁判所が判断した時は、管理型による再生が進められることもあることにも注意しなければならない。
 申し立て開始要件も比較的緩やかであることも大きな特色の一つである。すなわち、倒産原因がなくても、生じる畏れがあれば申し立てを行うことが可能であるため、明らかに不適当と認められる場合を除いては、早期に開始決定が行われ手続きに入りやすい。また、可決条件も再生債権を50%以上有する債権者の賛成により可決される。
 更に、一番の特徴は前述のように事業譲渡や減資を行いやすいことである。本来、事業譲渡や減資は株主総会の特別決議が必要であるが、民事再生手続きにおいては迅速に対応できる。つまり、裁判所の判断によって株主総会の特別決議を代行できるし、減資についても裁判所の許可を受けて再生計画により行うことができる。
 ただ、唯一の難点は前述の通り担保権が別除権となり、原則としては再生手続きに拘束されないということである。しかし、再生にとって重要であると裁判所が判断した場合は、一時的に担保物権の競売手続きを差し止めることも可能であるし、担保物権の評価額を納付することで担保権を消滅させることもできる。