キャリア・デザインとCDP?その2

 自分自身の興味、関心と能力・資質、多様なキャリアの可能性、制約条件、機会の有無、その結果などについてよく知り、キャリアのゴールを明確にし、そのキャリア・ゴールを達成するための仕事の中身、教育機会、自己啓発の経験などを位置づけ、キャリア活動に方向性、タイミング、手順などを確定していくように計画するプロセスである。
 これは、米国訓練開発学会によるキャリア・プランニングの定義である。この定義が妥当なものであるかどうかは別として、キャリアをデザインするに当たっては、個人の成長をメインテーマに据えていることが明確に示されている。しかし、その背後には企業の経営戦略がピッタリと寄り添っていることも同時に窺われる。
 キャリア・プランニングの実行計画に位置づけられるCDPは、多様なキャリアを蓄積しながら、企業にとっても従業員個人にとっても、望ましいものであることを前提としているが、現実には完全にベクトルが一致することはかなり難しい。そこで個人の対応としては、プログラムを活用しながら自己の機能に作り変える営みが一つ加わる。
 こうした仮説に基づいて、現実の企業で検証してみると、企業のベクトルと個人が望むキャリアの共通性が高いほど、人材育成プランやCDPが円滑にかつ効果的に進められるが、共通性が低い場合は、社内研修などはことごとく空回りすることが多い。しかし、根本的な原因がここにあるとは断定できないことも多々ある。
 もちろん真正の場合だってあり得るが、そうだとすればお互いに同一のベクトルに向かって協働することは無意味であるはずなのに、何故か退職を勧告することもなければ、辞職するそぶりも見えないのはどういうわけなのだろうか。時には甘えの構造さえ見えることもあるが、手つかずのままで放置されている姿をよく見かける。
 企業によっては、キャリア・カウンセリングなどの制度を導入して、潜在的可能性のアセスメントや個人の興味、能力と仕事の相性を測定することに取り組んでいるが、抜本的な対策とはいえないようである。現状では、個人が現時点で望ましいと考えているキャリア形成プログラムを、会社が提示したキャリア・デザインに沿って修正するしかない。