中小小売業のメディア戦略?その2

 折り込チラシ、カタログ、パンフレットなどのいわゆる紙媒体によるメディアは、半減していると言われているが、小売業者などに言わせるとその効果はまだ健在で、特に折り込チラシなどは、これを中止するとたちまち販売額が減少するという。ということは、メディアの中身つまり提供する情報のコンテンツにもよるのではないか。
 特定の地域に密着して繁盛することが小売業の基本である以上、何らかの形で店舗や商品情報を消費者に伝達するのは当然のことで、それが折り込チラシなどの紙媒体であったとしても、何等不思議なことではない。しかし、コンテンツに求められる内容が以前とは比べものにならないくらい高度なものになってきている。
 消費者がメーカーないし販売業者の提供する商品をひたすら受入れていた時代は、価格や品揃えなどの定型的情報を提供することが広告の主な役割であったし、消費者も十分満足していた。しかし、多様な情報をリアルタイムで入手する手段を手に入れた消費者にとって、単なる広告情報では物足りないと感じるようになってきた。
 さらにいうならば、「価格が安い」「品揃えが豊富」「品質が優れている」などといった自己PRには眉をひそめ、もっと客観的で説得力のある情報を求める消費者が多くなってきたのである。そうなると、折り込チラシの内容も自店の優位性をただ訴えるだけでなく、双方向的コミュニケーション力のある編集物としての性格に変化している。
 例えば、顧客に取材して、その反応を踏まえて取り組んでいることや店づくりに反映させたことなどニュース性のある内容を取り込んだチラシにするなどである。本来はパブリシティが望ましいわけであるが、これに近づける内容にすることで、自店の店格を高める効果もあるし、顧客との間のインタラクティブな姿勢が貫かれる。
 広告をニュース型に編集して発信することのメリットは、直接的に消費者の購買意欲を刺激するだけではなく、地域社会の生活者に対して強力なメッセージを発信することでもある。例えば、エコ商品に対する考え方、地球温暖化対策への貢献など、企業の社会的責任のあり方を訴えるイメージ戦略としても有効である。