日進月歩の技術革新と生活者の要求の高度化、これらの相乗積として出現した高度商品化社会は、今や高度情報化社会へと変貌を遂げようとしている。一方、われわれ生活者は基本的な部分ではそれ程の変化はないが、こうした情報化社会のインパクトを享受する形で消費態度や消費行動を変化させているように思われる。
こうした環境下にあって、小売業(店舗)は単なる商品購買の場ではなくなり、新しさの提案がなければ、消費者の興味を引くことはできなくなり、基本的な販売機能が発揮できない事態に立ち至っている。コンビニエンスストアなどの品揃えも、1年間で約7割が入れ替わるといわれているのは、こうした新しさを求められている象徴であろう。
もちろん、その影にはロングテールなどといわれている定番商品が、切り捨てられるという現象が隠されているわけだが、敢えて新しさを強調しなければ、消費者の来店を喚起することはできないという認識が定着している。それでは、常に棚を新しい商品で満たしておかなければならない理由はどの辺にあるのだろうか。
よく言われるように、新しいということの中身は、「新しい」「面白い」「珍しい」という要素の複合体として捉えられている。現に私たちは、特定の商品の購買を目指して店を訪れるよりも、「買いたいものは何か」、「珍しいものはないか」という極めて漠然とした動機で店を訪れることが圧倒的に多いように思われる。
そこで自分の知らない世界で、ひそかに人気を呼んでいるもの、あるいは自分が潜在的に求めていたものにであえると、ホットな気分なれる。現在のマーチャンダイジングは、このような「新」「面」「珍」に相応しいものであることが不可欠になってきているだけに、従来型の豊富な品揃えや安さを強調するだけでは不十分である。
ヒット商品の開発は従来の専門家によるものよりも、ブレーンストーミングなどから生まれたアイディア、様々な人材が集まって自由にアイディアを交換し合う会議などから自然に抽出されたものが多い。つまり、専門家の固定観念からは「新」「面」「珍」は生まれにくい社会構造に変化していることを認識することが必要である。
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