製品開発戦略?戦略監査その5

 企業の成長目標を達成するための第2の方策は、新製品開発戦略である。この戦略は既存の市場に対して、新製品を投入することであるから、既存製品を基軸として同一顧客ベースに対して多様な製品ラインを構築したり、新製品による製品の買い替えを積極的に行う。いわゆる顧客との関係づくりマーケティングを展開するわけである。
 この典型的な例が、乗用車や携帯電話などのモデルチェンジである。化粧品業界における新製品投入もこの部類に入るが、パソコンソフトのバージョンアップ戦略には多少度が過ぎると感じることさえあるが、こうした戦略を打ち出す意図がどこにあるのかで、消費者の認知度も異なるものと思われるが、実際には引き込まれてしまうケースが多い。
 というのは、こうした新製品開発戦略を行う背景が消費者には見えにくいため、計画的陳腐化政策なのかそれとも技術革新の導入なのか判別がつかない。近年は、デザイン、スタイル、色彩、サイズなどを追加する製品多様化戦略と判別がつかなくなってきているが、新製品の定義が必ずしも明確ではないので、これらも製品開発戦略の一種である。
 新製品を開発する場合、?アイディア創出、?アイディア・スクリーニング、?コンセプト開発、?マーケティング戦略開発、?経済性分析、?製品化、?市場テスト、?市場導入という段階をたどることになる。したがって、戦略監査ではこれらの段階ごとに評価するとともに、最終的には全体最適性を評価することになる。
 例えば、アイディア創出の段階では、市場の大きさと成長性、販売の容易さ、生産の優位性、商品化のための研究開発の優位性などをチェックする。また、コンセプト開発段階では、「製品を売るのではなく、コンセプトを売るのだ」という言葉があるくらいなので、消費者が製品に対して抱くことを期待するコンセプトであるかどうかがチェックされる。
 新製品のタイプは、市場にとって斬新なものであるか、その企業にとって新しいものであるかという2つの基準がある。前者は市場創造性製品、後者は新製品ラインを追加して市場参入する場合と自社ラインの補強がある。ここでいうところの製品開発戦略は、市場への新規参入は多角化戦略の範疇に入るものと思われる。