製品差別化戦略?戦略監査その2

 製品差別化戦略は、市場の同質性を前提とし、製品の中核的機能に止まらず、デザイン、スタイル、カラー、ネーミング、パッケージなど製品に付随するサービス(品質保証、技術的サービス)などの特徴(差別的優位性)を開発することにより、消費者に競合他社の製品と自社製品との違いをアピールする戦略である。
 製品差別化戦略は、不完全競争市場または独占的競争市場において、非価格競争を志向する企業によって採用されるものである。すなわち、ここでいう製品差別化とは、機能面での差別化と以前に述べた製品属性戦略を含んだものであり、消費者の需要を自社の製品に適合させようとする水平的市場創造戦略と位置づけることができる。
 一般的にいって、消費者の価格選好度が強いほど製品差別化の程度が低いことを示し、ブランド選好度が強いほど製品差別化の程度が高いことを示している。この戦略は、製品の技術的特性によって左右されるため、従来は農産物や鉄鋼、化学原料、セメント、原糸、小麦粉などの原材料ほど差別化の程度は低かった。
 しかし、現在マーケティングでは、農産物を始めとした原材料にも差別化の触手が伸び、サービスを付加した属性戦略を駆使することで、差別化がアピールできる可能性が高まっているため、自動車や家電製品などの組立型製品についてばかりではなく、あらゆる製品が差別化の対象となりえると考えざるを得ない状況にある。
 こうした製品差別化戦略がエスカレートしていく背景には、市場細分化戦略あるいは製品多様化戦略との関係も無視できないものがある。すなわち、市場細分化により、同質市場でも価格競争が始まれば、当然、同じ市場内で製品開発合戦が盛んになり、これに消費者が呼応する形で製品差別化を促すインパクトが生じる。
 つまり、一物一価の法則が作用する需給関係の変化は、製品市場価格を大きく変動させるが、広告宣伝などによる効果はきわめて薄いと考えられるから、同じ品質であれば、購買者は価格の安い方を購買するのは当然のことである。戦略監査では自社にとって製品差別化戦略はどのような意味を持っているのかを見極めることも目的の一つである。