これまでは主に企業が新規参入を考える場合、市場にはどのような参入障壁があるのだろうかという視点からの論述であったが、今度はポーターの競争戦略を基本にした競争要因という視点で考えてみたい。つまり、新規参入を阻止する立場から競争環境を考えてみると、どのような問題点があるかということをみてみるわけである。
まず、既存の競合企業同士の敵対的関係についてであるが、競争が激しくなる要因は、「競合企業が多い」「固定費が高い」「在庫コストが高い」「製品に販売期限がある」「買い手の選択肢が多い」「競争相手が差別化をしている」といった場合である。例えば、家電製品業界のように、生産設備に対する投下資本の早期回収を目指している場合などである。
新規参入の脅威では、「規模の経済性」「製品の差別化」「必要資本額」「乗り換えコスト(埋没コスト)」「流通経路の確保」「規模以外に起因するコスト面の不利」「政府の政策」の7つである。つまり、新規参入を阻止する企業の立場からすると、これらの参入障壁を高める工夫をすることが必要であるということになる。
代替品・代替サービスの脅威という視点から見るとどうであろう。既存製品の類似機能を他の製品やサービスで代用できる場合は、既存製品にとって代替品は正しく脅威である。例えば、従来のレコード盤に対するCDなどであるが、これに限らず、市場の定義によっては思いもよらないものまで代替品やサービスになり得る。
買手(顧客)の交渉力も大きな脅威である。大量に購入する場合、規格品、汎用品を購入する場合など、乗り換えリスクが少ないという製品は、常に顧客の交渉力に翻弄される危険にさらされている。例えば、量販店がバイイングパワーにものをいわせ、値引き交渉をする場合やコピー用紙を汎用品に乗り換え、専門店以外で購入するなどである。
一方、供給業者の支配力が強い場合は、同じように価格交渉力を持っている。競合する製品が少ない場合、供給業者側の結束力が強い場合、取引高が少ない場合、買手の事業に不可欠な商品である場合、代替製品に乗り換えるためのコストが高くつく場合などそれである。つまり、差別的優位性が確立されている場合である。
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