現在市場展開をしている製品について言えば、販売額が目標に達していない場合、まず考えなければならないことは、品質、価格などの適正度であろうが、製品の性質によってはこれらを別個に考えるよりも、総合的に捉えた方がわかりやすいこともある。つまり、その心は自社の相対的シェアで判断することができるからである。
しかし、市場において高いシェアを獲得している企業の製品が、必ずしも価格、品質両面において高い支持を得ているとは限らない。例えば、競争で負けたのは独自能力と市場のミスマッチによる場合だってあり得るわけだし、商品によってはクレジット機能を付加することによって消費者の目が引き寄せられたということも考えられる。
こうした可能性を解明するのがマーケティング・リサーチの機能であるが、ここでは取り敢えず品質面を中心としたアプローチから考えて見よう。品質についての考え方も1?3次品質まで拡大して考えると本質が見えにくくなるので、ここでは中核的機能である1次品質に限定して話を進めることで、独自能力と売上高の関係を整理してみる。
まず、独自能力が同業他社に比べ遜色がない場合は、原価構造に問題があると考えるのがセオリーであるから、その点から切り込んでみると、原材料の調達力、製造技術などの問題が浮かび上がってくる。自社製品は独自能力を投入した結果と見れば、これらが製品の品質に影響を与えている可能性が大きいものと思われる。
製造原価という概念を用いて説明すると、原材料の調達力が弱かったり、製造技術が低ければ単位当りのコストが高めになるが、逆にコストを抑えると品質は低レベルになることは避けられない。こうした構造になっている場合は、当然品質の競争力も低い水準になってしまい、目標利益を獲得することが困難になってくる。
中小企業の場合、原価構造が脆弱であるため、表面的な品質競争力は高いはずなのに、懐の深さがマーケティング戦略に形を変えて反映してしまい、結果的に売り負けしてしまうというケースが多いようである。ずばり言ってしまえば、やせ我慢がたたって品質までも低く評価されてしまったのであり、懐の深さも品質の一部と考えなければならない。
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