組織開発

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 組織開発(OD:オーガニゼーション・デベロップメント)とは、複雑で不連続な組織環境に柔軟に対応するため、従来の硬直化した組織を柔軟で有機的な組織に変革するための手法である。具体的には個人プレーを排除し組織のチームワークを活性化し、組織全体に強調と信頼関係を取り戻すことを目的に展開される。
 組織開発に先立ち、まず自社が理想とする組織とはいかなるものなのかという分析が行われる。次にその理想とする組織と現状の組織とのギャップを測定し、これを埋めるためにどのような変革が必要であるかを明確にし、最後に最も効果的な技法を選定することになるが、教育・訓練が不可欠なため行動科学的アプローチによるより進められる。
 行動科学の技法では個人ではなく、職場単位で自主管理集団を形成して小集団活動を中心にした組織構造の開発と対人関係、社会的関係に感受性を適合させる体験学習を主体として自己洞察と自己覚醒を目指し、相互作用やグループ・ダイナミックスによるトレーニングを行う感受性訓練やマネジアル・グリッド・トレーニングなどが行われる。
 このうち、マネジアル・グリッド・トレーニングとは、人間の行動スタイルを業績に対する関心の高さと人間に関する関心との二つの局面から考察して、五つの類型に分類し、この分類をもとに問題解決の行動改善プログラムを実践する。これらの方法を統合することで組織開発の目標達成を狙うわけであるから、実践プログラムとして位置づけられる。
 メンバーの信頼関係を高めること、組織の問題解決力の強化、双方向のコミュニケーションの確立、メンバーの自主的管理力を高めることでモティベンションの高揚などを狙いとして行われる組織開発であるが、実際の効果は教育訓練体系やプログラムによるところもあるが、何より大切なのはメンバーの取り組み意欲である。
 中小企業では、長年に亘りライン型の組織に馴染んできたこともあり、自主的な発想に基づいて物事を組み立て自己完結させるという思考様式が育っていないため、過大な効果を期待して盛りだくさんのカリキュラムを組むと、消化不良を起こす虞もあるので、自社の文化レベルを確かめながら段階的にレベルアップを図る姿勢で臨むことである。