プロジェクト・チーム

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 プロジェクト・チームとは、各部門や各事業部門に共通に発生した技術的・管理的に関係した個別問題を解決するため、各部門から選抜されたメンバーにより構成されたフレキシブルな組織である。既存の職制の枠を越えて広く有能なスペシャリストを集め、臨時に編成された公式の集団であり、問題が解決すればチームは解散される。
 既存の組織に機動性と柔軟性与えることにより、部門間の人事交流や人材活用を促進し、部門間のセクショナリズムを打破する効果が期待される。製品開発、新事業開発、コストダウン、各種キャンペーンなどの実施を目的に編成されるため、その目的を明確にした計画を作成し、これに沿って進行計画が遂行されることになる。
 このプロジェクト・チームの成否は、プロジェクト・マネジャーの能力にかかっているので、プロジェクト・マネジャーはプロジェクトのコスト管理から進行、達成といった計画・管理に至る一切の権限と責任が与えられる。すなわち、既存のラインの部門管理者と同等以上の権限と責任を持つことになるわけである。
 したがって、プロジェクト・マネジャーは、一つの事業を推進するため、経営者と同等の企業家能力が求められる。また、チームのリーダーとしてメンバーを束ねる管理能力も同時に求められことから、強力なリーダーシップ能力もまた必要とされるが、短期的で独立したプロジェクト・チームの性格にマッチした人材の登用は簡単ではない。
 中小企業でもIT化の推進などに取り組む場合、プロジェクト・チームを編成する場合があるが、目的の達成に向けて実際に機能させるためには、トップのリーダーシップが重要であるようである。つまり、チームリーダーやメンバーがどんなに優秀であっても、トップの入れ込み度合いに揺らぎがあると既存部門からの協力が得られにくい。
 しかし、臨時的にフレキシブルな組織が必要になることが多いのも事実なので、トップから特命を受けて少人数のチームを編成することも結構多い。この成否は、プロジェクト・チーム編成の必要性について、十分に他のメンバーとのコンセンサスを事前に得ておくことで、予想されるコンフリクトを防止する対策を練っておくことが肝要である。