利益獲得目標などは、企業目的達成のため必要不可欠であるが、企業という組織の中で一旦設定されると、セクショナルリズムに埋没してしまい、部門の目標達成活動が企業目的に反するものとなることもしばしば起こる。これでは医薬品の開発費を獲得するために、麻薬を売って利益を獲得しているようなものであり主客転倒である。
中間管理職の役割のひとつは、このようなミスマッチを起こさないように、企業の目的が部門の目標にブレークダウンされているものであることを、メンバーに意識させることも含まれている。そうした意味で、プラン、ドゥー、チェック、アクションのマネジメントサイクルを管理することが行動規範であるべきだ。
このサイクルの中では、当然プランが先行することは間違いないのだが、現実に活動している企業をイメージすると、目標値に対する実績値との差異をチェックすることが、最も重要視されなければならない。つまり、差異分析により明らかになった原因を速やかに把握し、是正措置(アクション)を起こすことが重要な任務である。
したがって、市場情報や商品情報、仕入先情報などをタイムリーに入手し、加工・分析しなければ、適切なアクションを起こせないことになるのだが、今もってファジーでアバウトな過去情報を基に旧態依然とした行動に終始している場合も多く見受けられる。こうした管理者は企業人として生き残ることは殆ど無理である。
目標の達成は自分がやらなくても誰かがやるという、「寄らば大樹の陰型」の管理職は、目標管理制度上ではありえない。何故ならば同じ目標が2つ存在するのであれば、1つは必要ないことになるので、他の誰かが達成することもありえないことになることを重々承知しながら、限界まで体を交わしながら逃げ続けている。
日本の経営家族主義は、このような管理者に対してあまりにも寛大過ぎたことを反省すべきであるのに、こちらも限界まで温存する姿勢が残っているため、付加価値生産性を低い水準に止めておきながら、労働分配率は高いままというダブルパンチに喘いでいる。この打たれ強さをプラスのエネルギーに変換するチャンスは既に到来している。
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