商品の属性戦略とは、上述した品質の段階的構造を巧みに組み合わせ、消費者の選択の幅を広げようとする戦略であるが、これを逆利用している戦略もある。例えば、無印良品などは、良品であることを強調することで、3次品質であるイメージ的要素をさりげなく訴え、結果としてこれをブランド化している。
この戦略は、消費者の機能(1次品質)を買いたいという欲求に応えようとしているように見えるが、実は無印良品というブランド(3次品質)をいつの間にか選択させられているのである。つまり、機能を求めているつもりが、このブランドであれば間違いないという意味的効用である価値を買っているのである。
消費者心理を捉えているという意味で同じでも、ストレートに訴求することにより消費者の支持を得ている例もある。例えば、ある食品専門店では、「包装紙は食べられませがモットー」と称して、商品の包装は極力シンプルにすることに拘り、1次品質である機能と価格の安さを強調した販売戦略を実践している。
上記の2例は比較的単純な方で、実際には1?3次品質に加え、価格、提供方法などを適宜組み合わせた戦略が考えられる。更にこれらの組み合わせを地域特性や宗教的こだわりなどと対応させれば、かなり面白い戦略が可能になる。
中小企業は1次品質の優位性で勝負を挑む傾向が強いように思われる。特に地場産業の場合はそうした傾向が強く、機能ではどこにも負けないと自負しているが、現実の市場展開では太刀打ちできないのは何故だろうか。反対に、一旦ブランドイメージが確立された企業の製品は、トップシェアを保ち続けている。
これらの現象は、大企業と同心円の戦いを続けてきた結果であり、中小業の存立基盤が全く存在しないということではないことに着目すべきである。すなわち、ブランドの確立は戦略遂行の結果であり、スタート時点では上記のような企業独自の組み合わせを見つけ出すという生みの苦しみがあったに違いない。
コメント