戦略的意思決定と管理的意思決定、業務的意思決定が混同されていませんか

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戦略的意思決定とは経営トップが担うべき意思決定であり、非定型的で文字通り企業の目指すべき将来像を決める意思決定である。管理的意思決定は、中間管理職が担当する決定で、戦略的意思決定に基づいた業務遂行の過程を管理する意思決定である。また、業務的意思決定は、監督者などが通常の業務を遂行する場合の意思決定である。
 このうち、戦略的意思決定を担う経営者層は、理念的意思決定であるという性質からコンセプチャルスキルが必要とされている。また、監督者などの業務的意思決定は、日常的業を管理するための技術的要素が強いため、この能力をテクニカルスキルと呼んでいる。この中間に位置する中間管理職は、上下の調整役としてヒューマンスキルが求められる。
 実際の企業経営の現場では、これらの業務は多少重複しているのが常であるから、能力のレベルも明確に区分されるものではないが、あまりにも混同しすぎると、無権代理現象が発生してしまい、命令系統が混乱してしまうこともあるので注意が必要である。例えば、会計課長が、その権限外であるにもかかわらず値引きを単独で決定するなどである。
 このように明らかに越権行為であることを認識していながら、オーバーランする場合もあるが、無意識のうちにテリトリーを踏みにじってしまうという場合もあり、人間関係と結びつくと、更に複雑で収拾がつかなくなる虞もあるので、意思決定者と権限の執行に関しては明確なルールを設けておく必要がある。
 特に職務内容が専門化してくると、部分的にはスタッフの方が意思決定者であるラインの長よりも情報の保有量が多いため、意思決定に際してはスタッフの意見を尊重するようになる。こうした決定方式が慣習化されると、スタッフは組織の意思決定権が自分にあるような錯覚に陥ってしまうことがある。
 こうした構図は、時代劇風にいえば、殿様が家老より側用人や小姓の意見を重んじてしまうというのとよく似ている。つまり、情報量の多さが意思決定に重要な役割を果たしているという構図は今も昔も変わりない。というより、情報を制するものは全てを制するという鉄則は未来永劫変わらないというべきであろう。