商圏とは自社の営業力の及ぶ範囲といって差し支えないと思われるが、高速交通網の発達や情報化の進展で、購買圏はますます広域化している。しかし、一般的な消費財や生活関連商品などは、消費者の生活圏とほぼ同一であると見るべきであるので、商圏という概念はいまだ健在であるといっていい。
また、業種・業態によっても商圏の捉え方は異なるので分析手法も当然異なるが、少なくとも、距離や範囲と購買額との相関や特定の地域との関連性、他商圏との境界線(変動)は把握しておく必要がある。すなわち、これらを明確に把握することにより、マーケティング戦略の展開方法が異なってくるからである。
一方、顧客分析は、近年高い精度が求められるようになっており、かなりの専門知識が必要な場合もあり、社内で専門家を育成するには負荷がかかり過ぎるときは、外部の専門家に委託するのも一つの方法であろう。しかし、ある程度データを読み込む力がなければ、戦略を再構築するのに支障があることも事実である。
CRM経営を実践するためには、顧客を多角的に分析することが不可欠であることは、「顧客づくり」の説明で詳述した通りであるが、企画管理の局面からの視点では捉え方が多少異なる。ここでは顧客は既存の得意先という限定した捉えかたではなく、市場または潜在市場までも含めた変化を読み取るという色彩が強い。
したがって、販売部門や仕入部門からもたらされるデータだけではなく、公的な統計データも多く用いることになるから、これらをグローバルな視点で分析し、自社の経営戦略との整合性をチェックする眼力が求められる。このようにマクロ的な視点とミクロの視点でデータを解析するためには、スタッフなどのバックアップがなければならない。
経営危機に陥っている企業は、何らかの形で経営資源の再配分に失敗しているといえるが、その原因は顧客を見誤ったことによるところ大である。そうした意味では顧客分析は経営戦略転換のための道標とも言うべきものなのであるから、データの収集・蓄積・加工と分析手法は確立しておく必要がある。
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