経営ビジョンは、数値や具体的な行動規範として示され、日常の業務反映させることで具現化されることが期待されるが、目標値や行動目標を指示しただけでは不十分で、実際の戦略計画が用意されていなければ、組織として協働することはできない。ここでは戦略の妥当性や再構築の方向を中長期計画とのズレを検証することが主題となる。
中長期計画と経営実績との間に差異が生じている場合は、市場との交換がある意味で拒絶されたことを意味している訳であるから、戦略を練り直す必要があることになる。つまり、市場価値と交換価値が一致しなかったため、経営目標が達成されなかったという反省に立ち、戦略計画を改善しなければならない。
こうした場合に改善の方向を示唆してくれるのが、ポジショニング分析である。すなわち、この分析を行うことにより、戦うべき市場の選定、取扱製品および品質、販売促進の手段、投入人員などを決定するヒントが得られる。ここは、計画、組織、実行、統制、見直しという経営サイクルの中の見直しの場面として位置づけられる。
経営戦略はそのレベルにより、企業戦略、事業部戦略、機能別戦略、業務別戦略からなり、企業戦略は企業全体を環境の変化に適応させるための戦略であり、企業の使命の明確化、達成すべき目標の明示、拡大戦略、市場開拓戦略、多角化戦略、M&A戦略などがその内容であり、トップマネジメントによって構築される。
事業部戦略は企業戦略の下位戦略であり、その事業の製品・市場における競争戦略であるから、単一事業の場合は企業戦略が事業戦略となる。機能別戦略は企業戦略ないし事業部戦略を支援するために策定されるもので、財務計画、マーケティング計画、人材計画、生産・設備計画などがその内容である。
業務別戦略は支店や営業所レベルで機能別戦略を実行するにあたって、日常的に行われる定型的な販売活動、受発注業務、在庫管理、品揃え管理に関する計画などである。したがって、ポジショニング分析の結果を踏まえて、これら一連の経営戦略が有機的に結合したものが再構築されたときに、はじめて戦略が打ち出されたことになる。
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