この戦略は中小企業に一番お勧めの戦略である。というのは、事業部門を多く抱えている大企業に比べ、中小企業は事業単位の戦略が、そのまま経営戦略となる場合が多いので、経営資源を一点に集中して効率的に活用することが期待されるからである。
ところが現実にこの戦略を実践しようとすると、なかなか有利に戦えるシステムを構築でないこともある。何故かというと、この戦略を志向する企業は常に多いので、結局差別化が難しいという壁に突き当たるからである。
しかし、それは「焦点」、「差別化」、「ローコストオペレーション」をセットで考えるからであり、少し目線を下げて一つでも確実に有利な機会を見つければ、意外とドメインにたどり着くチャンスがあるものだ。
経営に行き詰まって内整理に追い込まれた企業の例だが、債権者会議を何とか乗り切り、債務を大幅にカットされたが、経営者としての自尊心は傷ついた。気がついてみるとこの痛みをコストとして、それを上回る爽やかさを手に入れたのである。
取り敢えずは無借金経営になったのをきっかけに、図らずもローコストオペレーションの構図が完成したので、この強みをファウンダリー(受託生産)に生かすことで、今後の経営を立て直す計画案を進言した。
当初は鳴かず飛ばずで、計画は遅々として進まなかったが、製造業者としての拘りが原因であるとさとし、ようやく自社の強みを認識できるようになってきた。つまり、ローコストオペレーションを確立したこと自体が、低価格という差別化につながり、ファウンダリーを選択するしかなかったことが、焦点を絞り込んだ形になったのである。
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