核となる推進チームを結成する

 これまで馴染んできた組織を抜本的に変えるためには、大きな推進母体が必要である。組織内に染みついた文化を変えるわけであるから、どんなにリーダーシップを発揮しても、孤軍奮闘では変革は実現できない。そこて、強力な推進チームを結成して、同士を募り徐々に組織内に波及させるスタイルが望ましいというのが、チームを結成する真の狙いである。

 ただし、この場合、気をつけなければならないことは、推進チームとの確執を生まないように気配りしなければならないということである。組織内には、組織変革の必要性を認めてはいるものの、変革にはどれだけの負荷がかかるか、あるいは、抵抗勢力からの拒絶反応はどの程度かなどが心配で、明確に態度を決めかねている人も多くいるからである。

 こうした日和見主義的なメンバーを消極的だと決めつけてしまうと、疎外感を強く持つようになり、今後の推進活動がやりにくくなる。どの企業でも、こうした中間派は60%程度は存在するのが普通であり、これを抵抗勢力と見なしてしまうと頑固な抵抗勢力がぜん勢いづいてしまう虞があり、いつまでたっても変革の風を組織に吹き込むことができない。

 したがって、この場合の変革型リーダーは、経営者ないし経営陣の中でも特に人望のある人材がリーダーシップを発揮するのが望ました。そして、抵抗勢力とも常に対話し、意見交換をすることを忘れてはならない。間違っても、結論ありきの推進体制では、変革の必要性について考えるよりも、抵抗することにのみ意義を見出そうと奔走するようになる。

 とはいうものの、いつまでも小田原評定を繰り返している時間もないといという状況を考えると、どうしても抵抗勢力にはすべての情報を開示しないまま、推進チームが独走してしまうことになる。このことについては私も苦い経験がある。抵抗勢力の反発が思いのほか強く、かつ経営陣に対して根強い不信感を持っている場合には組織の変革は難しい。

 比較的成功したといえるのは、思い切って労働組合のリーダーを推進チームのメンバーに加えた時である。このようなやり方に対しては、経営側は当然前向きではなかったが、結果的には大きな成果に結びついた。といっても、情報の非対称が大きかったため、本当の成果がお互いに確かめあえ、組織に浸透したのはかなりの時間が経過した後であった。