フルフィルメントBy Amazonは、個人や企業が手数料を支払うことでAmazon.comのもつフルフィルメントのインフラを、自分のビジネスで使用できる。Amazon.comは売り手に代わって、在庫を倉庫に保管し、注文を受けたら取り出し、包装して送付する。売り手は、Amazon.com経由はもちろん、自分のチャネルや2つを組み合わせることもできる。
Amazon Web Servicesは、ソフトウェア開発や高性能サーバーの能力を必要とする人たちを対象に、オンデマンドのストレージおよびコンピューティング能力を提供する。Amazon Simple Storage System(Amazon S3)は、開発者がデータストレージの必要性に応じて、Amazon.comの大規模なデータセンターインフラを使用できるサービスである。
また、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)は、開発者が独自のアプリケーションを実行するサーバーを「レンタル」することができる。深い専門知識とこれまでにない規模のオンラインショッピングサイト運営を経験しているおかげで、他社に真似できないような低価格でありながら、オンライン小売業に比べ、高い営業利益(率)を実現している。
投資家や投資アナリストは、当初、これらの新しい長期的な成長戦略に対して懐疑的であっが、Amazon.comはこうした懐疑論を覆してしまった。しかし、この長期戦略から本当のリターンが分かったのは、新しいビジネスモデルへのさらなる投資を経た数年後のことであった。活動とリソースに対するシナジーがあったからこそ実現できたわけである。
巨大なインターネットショップから、こうした価値が生まれたのは当然である。Amazon.comは、自社の小売ビジネスのために、毎日世界規模でITインフラを提供し、それを維持している。これはまさに、Amazon.comの中核機能なのである。同じようなインフラサービスを他の企業に提供するステップを踏むことに、それほど無理が生じなかった。
そして、Amazon.comは、利益率の低い小売業にいたため、コスト効率も非常によかったことも幸いであった。新しいウェブサービスが低価格で提供できることは、ここからも容易に説明できる。そのうえ、十分なサービスを受けていない2つの全く異なった顧客セグメントを対象にした価値提案を可能にしたことにも、インフラの強みが生かされている。
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