従来の刺激?反応モデルでは、消費者の内面をブラックボックスとして位置づけていたのに対して、このモデルは消費者の心理状態までも解明しようとしているところに意味がある。消費者は実際の製品(実態的刺激)、広告(象徴的刺激)、口コミ(社会的刺激)などの刺激を通して知覚し、さらに進んで刺激を探索しながら製品に対する態度を形成する。
好意的な態度が形成されれば購買の意図を強め、結果的に購買行動を起こすことになり、そして、購買後は製品の使用価値を満足・不満足という判定でフィードバックされ、ブランドに関する知識が強化されたり修正される。このように消費者の反応過程を説明しているところに特徴があり、マーケティングには有用なモデルである。
このモデルに従えば、新商品の売れ行きが不十分であったという場合は、このS(stimulus:刺激)、O(organism:生活体)、R(response:反応)という一連のチャネルの中のどこかに欠陥があると考えることになる。つまり、売れなかったということは、反応が今ひとつ芳しくなかったということである。
消費者がそうしたアクションしかとらなかった理由は、価格や品質、ブランド力に問題があったのか、それとも、マーケティング・コンセプトと製品コンセプトの間にギャップがあったのかを検証することで、新しい刺激を付加するといった修正も可能になるというわけである。すなわち、このモデルは正しく仮説?検証モデルそのものである。
このように、消費者の刺激に対する反応を段階的に分析することで、企業は自社製品の市場への浸透度を把握できるから、より消費者の購買行動に近づける戦略を打ち出せるため、消費者にとっても自分のライフスタイルにフィットした製品が容易に購買できる。こうした相乗効果が高度商品化社会を形成するに至ったと考えられる。
その一方で、自社の売上が激減している企業も多いのは何故なのだろうか。一つの大きな要因は情報化への乗り遅れであることは間違いないが、これは決して設備投資の問題ではなく、このモデルに従った検証を怠ったためであると思われる。端的にいえば、何故売れなくなったかという踏み込んだ分析は殆どないことに大きな原因がある。
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